1台で多自由度回転を実現する回転機構

2025/01/29 17:09 - By Tech Manage

従来にない新型球状歯車を採用したへ回転機構であり、医療機器だけでなく、
産業用途など軽量化が求められる機械部品としての活用が期待される

Advantages

  • 多自由度回転:1台で2つの回転軸を持ち、2自由度回転が実現。コンパクトな構造で複雑な動作を可能にさせる。
  • 高精度:本回転機構の動作原理は、角度センサ不要で正確な動作を実現可能。
  • 小型・軽量化:鉄や永久磁石・電磁石を必須とせず、シンプルな設計で軽量化を実現可能。

Background and Technology

MRI・CT環境での医療用デバイスの使用には、金属の存在による画像ノイズの影響や限られた空間での高精度操作が課題となっている。この問題に対応するため、非金属性の遠隔操作手術支援ロボットが開発されているが、現在の空圧モータは1自由度しか持たず、多自由度回転を実現する球面歯車機構には電磁モータが必要となり、MRIやCT 環境での使用が困難であった。
本プロジェクトでは、これらの課題解決を目的に1台で様々な方向への回転を実現する球状歯車型空圧アクチュエータ(下図)を開発した。本アクチュエータの特徴として、中心に配置した球状歯車には、ヨー方向回転(左右方向の回転)とピッチ方向回転(上下方向の回転)のそれぞれで異なる歯車形状が設けられている。ヨー方向回転時にピッチギアユニットが従動してヨー方向回転することで、ピッチギアユニットと球状歯車の噛み合い関係が維持される。さらにピッチ方向回転時にヨーギアユニットが球状歯車に干渉しない構造のため、2軸同時回転が実現可能となっている。今回開発した回転機構は、従来にはない構成の回転機構であり、小型化や軽量化が期待できる新たな機械部品として、開発当初に想定していた医療機器用途だけでなく、産業用途における位置決めや姿勢制御を行う用途などでの活用も期待される。

Data

Expectations

名古屋大学では、以下の企業様との協業を希望しています。
  • 本技術を利用したアクチュエータの製品開発にご興味のある企業様
  • 本技術を利用したアクチュエータを利用したロボット・機械部品の製品開発にご興味のある企業様
研究者とのお打合せやデモ機の見学も可能ですので、ご希望がございましたらお気軽にご相談ください。

Publications

名古屋大学・研究成果発信サイト:https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2024/11/mrict.html

Patents

特許出願中(未公開)

Researchers

部矢 明 准教授 (名古屋大学大学院 工学研究科)

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