高機能性藻類“紅藻ダルス”活用のための陸上養殖・実用化に向けたコラボレーション

2025/10/24 10:56 - By Tech Manage

血圧調整作用/脳機能改善などの機能性の発見を活かし、生産技術確立による利用を目指す

Advantages

  • 未利用海洋資源を活用する環境ニーズに対応する産業創出プロジェクト
  • プロジェクトの鍵となる「少量/量産/店内収穫システム」の確立・利活用を目指すパートナーを募集
  • 紅藻ダルスの主成分構造解析、機能性(血圧調整、脳機能改善、整腸効果)を見出した研究室
  • 既に多数の製品化、食品化に向けたプロジェクトが進行中(ダルス・スプラウト、ダルスフレーク)

Background and Technology

北海道の特産物として優良な昆布が知られるが、その養殖の際、紅藻の一種ダルスが自然繁茂する。繁茂したダルスは収穫対象とはされず、昆布養殖の妨げになる厄介物として、生産者によって除去されてきた。日本ではごく限られた地域での食経験だが、欧米では、カナダ・イギリス・アイルランドでスープやサラダの具材、ミネラル源として活用されていることから、本研究室では、新規の地域資源として有効活用を目指し、北海道・函館産ダルスが含有する生化学成分の構造・機能特性の研究を深め、下記のような特性を見出してきた。
 ① 血圧調整作用
 ② 脳機能改善・酸化ストレス軽減作用
 ③ ビフィズス菌増殖作用
上記のように、本研究者らの最近の研究において、紅藻ダルスの想像を超える生化学成分が明らかになり、これら成果から、食品・加工品などの商品検討が注目度を高める一方で、ダルスの供給は冬季に採取されるのみであり、水温上昇や悪天候による生育不順、他種海藻の混入も生じることや、製造者の労働負荷もハードルである。安定して低温で・栄養塩を豊富に含有し・清浄である海洋深層水等を利用して、水温上昇や悪天候などの海洋環境に影響されない陸上施設において、その生育条件を最適化する 『ロバスト設計』ためのパートナー企業の協力を要している。

Expectations

現段階:紅藻ダルスの機能性、効果効能、メカニズム解明・実証研究が完了。ダルス陸上養殖の仮説検証進捗。
次段階:ダルス応用範囲に合わせた、養殖技術・少量栽培/量産システムの確立・再現性実証
ダルスの用途に関するアイディアやご希望、陸上養殖・生産技術の開発、導入、または開発コラボレーションに関心をお持ちいただけるパートナー企業を募集しています。先ずは、技術の詳細説明とディスカッションから、スタートさせていただければ幸いです。

Researchers

国立大学法人北海道大学 大学院水産科学研究院 教授 岸村 栄毅 ・ 准教授 熊谷 祐也

以下のフォームからお問い合わせください

Tech Manage