ジメチルエーテル(DME)合成触媒による 共同研究/事業開発のご提案

2025/06/04 11:50 - By Tech Manage

Advantages

  • ジメチルエーテル(DME)合成触媒による共同研究/事業開発のご提案
  • 世界最高レベルの収率を示す、DME合成用オリジナル触媒
  • CO2,COと水素を原料とする環境適応性の高い合成プロセス

Background and Technology

ジメチルエーテル(DME)は、灯油に近い燃焼特性と液化石油ガス (LPG) に近い物性を持ち、排出ガス中の微粒子状物質 (PM) が無く、硫黄を含まないことから硫黄酸化物 (SOx) を発生させない次世代のクリーン燃料として期待され、世界的に急速に市場成長しており、特にアジア太平洋地域での需要が高まっている。主な用途として、LPGブレンドによるCO2削減、ディーゼルの代替としての輸送用燃料、化粧品/家庭用品のエアゾール推進剤が市場を牽引している。特に中国、インドでのDME需要が増加しており、環境規制やクリーン燃料への移行が加速すると考えられている。
そのような市場において、DMEの合成プロセスの更なる効率化ニーズは高く、メタノールからDMEを合成する「間接法」に対し、本研究室では一酸化炭素(CO)や二酸化炭素(CO2)と水素から、メタノール生成と脱水反応を一体化させた「直接法」というDME合成反応に着手し、プロセスの効率化、低環境負荷に寄与する触媒を開発してきた。具体的には、ゾル・ゲル法を用いた金属酸化物触媒Cu-Zn/Al2O3によって、DMEの生成率は、大気圧下および0.9 MPaGの最適条件下で、生成速度は 486 μmol gcat-1 -h-1、DME収率8.0%という高収率を達成している。また同研究室では、現在、CO2を原料としたDME生成について、更に高い活性を持つ触媒Cu-Al2O3-SiO2を開発し、これらを適切に用いることで国内外のニーズに対応が可能になるものと想定されている。

Data

Cu-Zn-Al2O3及びCu-Zn-Al2O3-SiO2触媒体(0.5 g)の、Al2O3とSiO2との質量比ごとのDMEとメタノール合成能比較

Expectations

現段階:触媒のDME合成能を実証完了し、反応メカニズムなどについて解明を進めている。
次段階:①更なるDME合成の量産装置開発
    ②原料・用途別の合成反応の性能開発
本触媒・合成プロセスの実用化に関心がある企業様、用途別の反応評価・DME量産のための共同研究・共同開発に関心のあるパートナー企業様、海外販路拡大に興味のある企業様を募集しております。先ずは、技術の詳細説明とディスカッションから、スタートさせていただければ幸いです。

Publication

Kaoru, K. et al., Promotional Effect of Water on Direct Dimethyl Ether Synthesis from Carbon Monoxide and Hydrogen Catalyzed by Cu−Zn/Al2O3,ACS Sustainable Chem. Eng. 2017, 5, 3675−3680
K. Takeishi, “Dimethyl ether and catalyst development for production from syngas”, Biofuels, 2010, 1, 217-226.

Researchers

国立大学法人静岡大学 工学部化学バイオ工学科 准教授 武石 薫


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