~入射位置特定可能、高温耐性を備えたデバイス~
Advantages
- 核融合分野や次世代中性子源の開発に伴い、高まる中性子検出ニーズに対応
- BGaN/GaN積層構造で、BGaNダイオードの製造実績膜厚は最大13μm
- 温度制御などオリジナルな結晶成長技術によって実現
- 他放射線とのエネルギー弁別も可能
- 高温動作を450℃まで確認済み
Background and Technology
原子力施設のみならず、セキュリティ分野、医療分野におけるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)など中性子の応用領域は増え、より強力な中性子源の実現への期待が増えている。それに伴い、そのモニタリングや計測に使用される中性子検出器に対するニーズも、ますます高まる傾向にある。しかしながら、現在、その検出特性などから幅広く用いられている3He ガス計数管は、近年の Heガスの枯渇から供給不足となっており、新しい中性子検出器の開発が、多数機関で進められている。
本研究室は、ホウ素原子を半導体構成元素に含む BGaN 半導体検出器を高解像度イメージング用新規半導体検出器として提案し、開発を行っている。図左が提案する BGaN 半導体の中性子検出原理の概念図である。BGaN 層中で中性子捕獲からキャリア検出を行うことで、疑似的な直接検出となり半導体検出器の役割を担うことが可能である。BGaN 検出器は図右に示すコンバータ層が独立した検出機構とは異なり、コンバータ層内での荷電粒子の自己減衰が無く、10B(n, α)7Li 反応で発生する α線と Li 粒子の両荷電粒子による励起信号を検出可能という利点を持つ。したがって、本構造は効率的に高解像度、中性子照射場に存在する他の放射線とのエネルギー弁別が容易な検出系である。
Data
BGaNダイオード構造図と作製したデバイスの光学顕微鏡およびBGaN断面図SEM画像を示す(図左)。
作製した5μm-BGaN 検出器に異なるエネルギーのα線を垂直入射させスペクトル測定を行ったスペクトル測定結果(図右)
Expectations
現段階:BGaN/GaN積層構造による中性子半導体検出器の作製・性能実証を完了。
次段階:① 製品化実現に向けたパートナー企業との作製再現性評価・性能最適化。
②量産技術の開発による本製品の産業化。
②量産技術の開発による本製品の産業化。
いずれも研究室との共同研究/共同開発が可能です。②はパートナー企業様主体での検討を希望しております。
本技術・プロセスを用いたサンプルの評価、共同研究・開発コラボレーション、技術指導に関心のあるパートナー企業を募集しています。先ずは、技術の詳細説明とディスカッションから、スタートさせていただければ幸いです。
Publications
- J. Appl. Phys. 130, 124501 (2021); doi: 10.1063/5.0051053
- 応用物理 第 91 巻 第 10 号(2022)
- Sensors and Materials, Vol. 36, No. (2024)
Patents
- 登録済
特許第6856214号 「中性子半導体検出構造、中性子半導体検出器、中性子半導体検出構造の製造方法」
特許第6948668号 「中性子半導体検出器」
Researchers
国立大学法人静岡大学 電子工学研究所 教授 中野 貴之
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