Hf化合物によるCap膜でシリサイド電極の熱酸化・表面粗さを抑制しコンタクト性能を向上
Advantages
- シリサイド電極のコンタクト抵抗を一桁程度低下させることが可能。
- 様々なシリサイド電極への応用が可能で、コンタクト性能の向上を目指せる。
Background and Technology
MOSFET等の半導体デバイスではSi基板上のソース/ドレイン電極に、Si基板上に形成した金属薄膜を熱処理しSiを金属薄膜に拡散させるシリサイド化によって得られるシリサイド合金膜が使用されている。シリサイド合金膜の製造課題として、熱処理過程での金属表面の酸化により絶縁膜が形成され表面形態が悪化し電気抵抗が上昇する点が指摘されている。この解決法として熱処理前にシリサイド化を行う金属薄膜上に他の化合物薄膜(Cap層)を形成し酸化を抑制する方法が提案されているが、近年半導体デバイスの微細化に伴いシリサイド合金薄膜及びその電極の性能向上が望まれる中でCap層の酸化に対するバリア能の向上が求められている。
東京工業大学の大見准教授は半導体の微細化要求に適したシリサイド合金膜・電極の開発を行う中で、Hf化合物(HfN,HfW等)が高いバリア能を示しCap層として有用であることを発見した。特にHfNは選択的エッチングが可能でハンドリングが容易という利点もある。
Data
- PtSi合金膜において、AFMによりRMSを測定したところ、HfNをCap膜として使用した場合は2.26nmであるのに対しCap層を使用しない場合は3.12nmであった。
- PtSi合金膜においてCBKR(交差ブリッジKelvin抵抗)構造を作製後にN2/4.9%H2雰囲気でアニールを行う条件でコンタクト抵抗を測定したところ、HfNをCap膜として使用した場合は4.8×10-7Ωcm2であるのに対しCap層を適用しない場合は4.9×10-6Ωcm2であった。
Expectations
- 本技術を活用して半導体素子の開発を行う企業へのライセンスを希望します。
- 本技術の技術導入を目指した共同研究も歓迎します。
- ご興味いただけましたら発明者の大見准教授との面談も可能です。
Patents
- 特許登録済み:特許第6086550号
Researchers
大見 俊一郎 准教授(東京工業大学)
Please click here to see English summary.
以下のフォームからお問い合わせください