高出力LED用蛍光体粒子分散セラミックス

2025/02/12 14:19 - By Tech Manage

加熱しない緻密化技術で自由度の高い材料設計を実現

Advantages

  • 蛍光体粒子(例えば、SiAlON系蛍光体)を1~20%含有し低温成形が可能、蛍光体の性能劣化を抑制しつつ、高い相対密度実現
  • 10W/m・Kの高熱伝導率マトリックス中に、蛍光体粒子を劣化・変質させることなく分散・固定化可能

Background and Technology

多くの緑色・赤色・白色LEDでは、青色光を励起光源として赤・緑・黄に波長変換する蛍光体を分散させた樹脂でLED光源を封止したものが使用される。近年、自動車用ヘッドランプ、プロジェクタ用途などでLEDの高輝度化のニーズが高まっているが、樹脂は熱伝導率が低く(約0.1W/m・K)、温度上昇によって樹脂や蛍光体粒子の劣化が生じる。樹脂の代わりに低融点ガラスを使用する場合もあるが、十分な熱伝導率は得られない。これに対して、セラミックスは熱伝導率が高いものの、一般的に1,000℃以上の焼成による緻密化が不可欠であり、高温下で蛍光体が劣化・変質するため、強固な材料設計の制限があった。
本技術では可視光を透過し、熱伝導性が高い酸化マグネシウム(MgO)を封止材として使用する。粉体に混ぜて仮成形した後、少量の水を添加し、加熱なしで静水圧加圧を行う。これにより、MgO粒子の表面に水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)が生成し、空隙が充填され、緻密な微構造が実現できる。さらに、蛍光体粉体を添加して緻密化させることにより、MgOの高い熱伝導性と蛍光体粉体の蛍光特性を共発現する蛍光体粒子分散セラミックスが得られる。

Data

Expectations

本発明の実用化に興味のある企業を探しています。
実用化に向けて、高輝度LED・ディスプレイ等の装置開発企業、蛍光体開発企業、セラミックス開発企業等との協働を歓迎します。
研究者との面談による打合せ、成果有体物提供契約下でのサンプル提供も可能です。

Publications

Patents

WO2021/015261 A1 (日本・米国・中国で登録済、欧州で出願中)、他

Researchers

高橋拓実 研究員(神奈川県立産業技術総合研究所:KISTEC)、多々見純一 教授(横浜国立大学)

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