中枢神経疾患の亜急性期治療用自家細胞製剤

2024/05/14 16:51 - By Tech Manage

脳梗塞や脊髄損傷の神経修復効果を有する口腔組織由来神経系細胞

Advantages

  • 短期間(3~10日間)で10^5~10^7個を取得でき、神経保護に加え、神経再生効果が期待される。
  • 歯髄の他、低侵襲で取得可能な頬脂肪体/歯肉組織が使用可能。
  • 染色体異常率が低く、神経幹細胞、未成熟・成熟神経系細胞を包含、グリア細胞へも分化可能。
  • 確立された脳外科的手法(定位脳手術)により脳内に容易に投与可能。

Background and Technology

脳梗塞や脊髄損傷において、発症2週間以内の細胞移植は神経ネットワーク再生による機能回復が期待される。しかし一般的に移植用の自家細胞を得るためには6週間を要し、急性期・亜急性期の治療には対応できず、ストック型の他家細胞は拒絶反応により生着しにくいという問題がある。
本発明は、歯髄等の口腔内間葉組織細胞取得直後に神経分化誘導培地で48時間培養して得られる小型遊離細胞が神経幹細胞であり、更に24時間培養により神経系細胞からなるスフェロイドを形成するという新たな知見に基づく。数日間の培養後、定位脳手術による患部投与で脳神経組織の修復が期待される。

Data

  • ヒト歯髄由来神経系細胞集団(DP-iNC: Dental-Pulp-derived induced Neural Cells)でネスチン(未成熟神経幹細胞)、βⅢチュブリン(ニューロン)、NF200(大型有髄ニューロン)、MBP(グリア細胞)、GFAP(アストロサイト)等の陽性を確認。正常二倍体細胞95%以上(通常80%以下)。
  • 左中大脳動脈永久閉塞モデル免疫不全マウスの発症5日後の脳梗塞領域辺縁(深部)にDP-iNCと歯髄幹細胞を移植、DP-iNCでは移植細胞の神経回路形成が見られ、症状も有意に改善(図)。
  • 頬脂肪体や歯肉組織においても本手法による効率的な神経分化を確認。

Expectations

本発明のライセンス導入により実用化いただける製薬企業を探しています。
筑波大学との秘密保持契約の締結による未公開データ等の開示の他、本発明者とのご面談も可能です。

Publications

Stem Cell Reviews and Reports (2022) 18:595–608

Patents

PCT/JP2020/019290  ※日・米・英・独へ移行済

Researchers

丸島 愛樹 准教授 (筑波大学 医学医療系)


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