貴金属を使用しない低コスト燃料電池触媒

2023/01/06 13:17 By Tech Manage

Advantages

  • PEFCアノード触媒として運転条件により白金以上の活性(カソードでも活性を確認)
  • 長時間の繰り返し運転で触媒の劣化はなく耐久性を検証済み
  • 安価な原料と簡便なプロセスにより製造可能

Background and Technology

セメント鉱物マイエナイト(C12A7;12CaO・7Al₂O₃)に内包される酸素イオン(O2-)をハロゲンと電子で置換した燃料電池用触媒(右図)。

固体高分子型燃料電池(PEFC)の普及に向けて触媒を白金(Pt)から非貴金属に置換える研究がなされているが、活性・耐久性においてPtと同等の実用的な触媒は得られていない。
多孔質結晶構造を有するマイエナイトのケージに内包しているO2-は容易に他の物質と置換でき、電子と交換した化合物(エレクトライドと呼ばれる)に金属的性質、超電導性が見つかっている。
発明者はハロゲン置換C12A7の残留O2-を電子で置換してエレクトライド化した物質がPEFC触媒としてPtを上回る可能性を有することを見出した。
C12A7はゾルゲル法で簡易に合成可能で、ハロゲン/電子置換はそれぞれ1回の焼成プロセスで行えるため、燃料電池触媒の大幅な低コスト化に貢献できる可能性がある。

Data

カソードにPt、アノードに発明触媒またはPtを用いたMEAでIV特性を評価、本発明触媒は一定時間後に活性低下するものの、加湿等により活性を回復しPtを上回るレベルに達した(下図)。
1200時間の連続運転で触媒性能に変化がないことを確認。

Expectations

本発明触媒の使用/製造条件を最適化し実用レベルに高めていただけるパートナーを求めています。
特にPEFC/PAFCセルの試作、性能評価の技術をお持ちの企業を歓迎します。サンプル提供応相談。

Publications

一部を学会発表済み、論文投稿準備中

Patents

WO2021/010167A1(日・米・欧・中へ移行済)

Researchers

本発明触媒の使用/製造条件を最適化し実用レベルに高めていただけるパートナーを求めています。
特にPEFC/PAFCセルの試作、性能評価の技術をお持ちの企業を歓迎します。サンプル提供応相談。
以下のフォームからお問い合わせください

Tech Manage