低圧力・低温度アンモニア生産

2023/08/28 15:18 - By Tech Manage

リン化鉄(FexP)ナノ粒子触媒を用いた電場触媒反応による高効率合成

Advantages

  • 高圧ガス保安法/消防法の制約を受けない、オンサイト・少量オンデマンド生産が可能。
  • 低温反応により、ハーバー・ボッシュ法の限界(転化率<30%)を大幅に上回る可能性。
  • 大気中で安定な碑金属由来触媒、低温低圧運転のためトータルコストを削減。

Background and Technology

アンモニアは合成肥料の原料とし重要であり、次世代の水素キャリアとしても期待されている。現在はハーバー・ボッシュ法を用いて高温(400℃)・高圧(200気圧)で合成されている。近年、地産地消のためのオンサイト生産の研究開発が産学でなされ、より温和な条件下で合成を促進させる触媒が報告されているが、多くは高価な貴金属が使用され、高圧ガス保安法の適用外となる10気圧以下での反応では十分な効率が得られていない。
早稲田大学関根教授は金属触媒/半導体酸化物粒子複合体への電圧印加により比較的温和な条件下で反応を促進する「電場触媒反応」の研究を行っている。今回、大阪大学で開発された大気安定性高活性リン化鉄ナノ粒子触媒の使用により、世界最高レベルのアンモニア合成が進行することが見出された。
低温低圧で生産できることから、高圧ガス保安法/消防法の届け出が不要な少量オンサイト・オンデマンド生産、再エネ水素キャリアとしてのNH3生産などへの応用可能性がある。

Data

  • FexP|Sr0.875Ba0.125ZrO3に6mA/400Vの印加で157℃、常圧の窒素と水素の混合気体から0.965mmol/g/hのアンモニアが生成(低温・大気圧下の合成で世界最高水準)。

Expectations

  • 本技術の実用化のためエンジニアリング企業・触媒企業、等との協働を希望します。
    ※秘密保持契約により追加情報の提供も可能です。
  • さらに興味ありの場合は、発明者の関根教授との面談も相談可能です。

Publications

  • 第130回触媒討論会、他
  • 論文投稿中

Patents

  • 出願中(未公開)

Researchers

関根  泰 教授(早稲田大学)
満留 敬人 准教授(大阪大学) 
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