ニトリル化合物の水素化、アンモニア合成などで高活性を有するリン化鉄(FexP)ナノ粒子
Advantages
- 非貴金属、高活性、大気中安定で取扱い容易なため、トータルコスト削減。
- 固体触媒であり、分離・回収・再使用が容易。
Background and Technology
鉄ナノ粒子は、窒素からアンモニアを合成するハーバー・ボッシュ法や一酸化炭素から炭化水素を合成するフィッシャー・トロプシュ反応などの触媒として使用されるが、極めて不安定あり、ppmオーダーの酸素により容易に酸化されて不活性化するため厳密な嫌気雰囲気下で取り扱う必要があり、担体に担持した鉄イオンをin-situで高温・高水素圧条件で還元して使用するが、大気に暴露すると酸化して活性を失い発火性も有する。
発明者はこれまでCoやNiのリン化ナノ粒子が高い触媒活性を有することを報告してきた。今回合成FexPナノ粒子が大気中で低原子価状態を維持し、還元触媒として機能することを発見した。金属酸化物等の担体と複合化すると活性が向上し、回収・再利用が容易になる。
Data
- ニトリルの液相水素化反応では高収率でアミンに変換
※バルクのリン化鉄では反応が進行せず
- 電気化学的反応を用いた200℃以下/大気圧下でのアンモニア合成を実証
- その他の反応でも実証済(未公開)
Publications
- 第131回触媒討論会
- Nature Communications
- ニュースリリース
Patent
- 出願中(WO2023/200015)
Researcher
満留 敬人 准教授(大阪大学)
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