TaPEOゲルが有する植物生育能を利用した共同研究に関するご提案
Advantages
- 本提案のTaPEOゲルは、植物由来かつ生分解性の原料で構成される高分子ハイドロゲルであり、安全性、環境適合性が高い。
- 土壌中、水中での保水性向上等、園芸・農林業の分野における幅広い応用が期待できる。
Background and Technology
ハイドロゲルは内部に多量の水を含むソフトマテリアルであり、親水性高分子鎖を架橋することで得られる。近年、ハイドロゲル用の架橋剤としてタンニン酸が注目されている。タンニン酸は植物由来であるため環境適合性が高く、低コストで、多彩な生物活性を持つことに加えて多様な相互作用能を持つことで知られる。
本発明者は、タンニン酸と超高分子量(500 kDa以上)のPEG(ポリエチレングリコール)を混合することでTaPEOゲルを調製することに成功した。その用途を検討する中で、TaPEOゲルに植物生育を促進または補助する効果があることを新たに見出した。現在、そのメカニズム解明に向けた詳細な研究、及びTaPEOゲルの農業資材等としての応用開発パートナー企業を探している。
Data & Current Stages
- タンニン酸と、分子量500 kDa以上の超高分子量PEGをそれぞれ水に溶解した溶液同士を混合することにより、TaPEOゲルを調製した。
*調製方法については後述の論文にて詳述 - 農業資材化に向けての検討
- 水耕栽培:得られたゲルを約1 cm四方の大きさに切断し、それを切り花(ガーベラ)の入った水に添加して常温で5日間放置した。その結果、TaPEOゲル添加のガーベラは対照と比較して花の状態が良く、長持ちすることを確認した(写真上)。
- 土壌栽培:得られたゲルを約1 cm四方の大きさに切断し、それを鉢植えの植物(パセリ)の土壌に埋めて実験室内(約25℃の恒温)に静置し、同じ日照・水やりの条件下で100日後のパセリの生育状態を比較したところ、対照と比較してTaPEOゲルを添加した土壌で生育させたパセリの方が長生きであることが分かった(写真下)。
Expectations
本研究で明らかになったTaPEOゲルの機能・効果を応用した商品化に向け、本発明者との共同研究をご検討いただける企業様を探索しています。TaPEOゲルを用いることで、例えば乾燥地・半乾燥地における農林業や緑地化応用の分野での利活用や、土壌の保水性、苗木の乾燥耐性の向上の用途での活用を想定していますが、ほかにも、貴社がお持ちのアイディアをぜひTaPEOゲルで評価してみませんか。
Publications
Goto Y, et al., "Zero-waste preparation of supramolecular hydrogels and films comprising tannic acid and ultra-high-molecular-weight polyethylene oxide." Results in Materials (2023) 19, 100425.
(doi) https://doi.org/10.1016/j.rinma.2023.100425
Patents
特許出願中
Researchers
東 大志 先生 (熊本大学大学院生命科学研究部 薬学系 准教授)
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