極めて安定性の高い超分子硫黄ポリマー

2021/07/29 16:38 By Tech Manage

有機溶剤に対する溶解性を維持したまま、超分子構造によりポリマーの分解が起こりにくい

Advantages

  • 直鎖中に露出する硫黄分子により電気的または光学的に特異な物性を示すことが期待できる。
  • リチウム硫黄電池材料に応用できる可能性がある
  • 硫黄含有率を高めた高屈折率光学用プラスチックを作製できる可能性がある

Background and Technology

 年間700万トン地上廃棄されている硫黄の有効活用が求められているが、硫黄は8員環が開裂してラジカルが発生するため室温で分解し不安定であり、また硫黄ポリマーは汎用有機溶媒に不溶で加工性に乏しい。
 発明者は、超分子化学的アプローチにより硫黄ポリマーの安定化を実現した。具体的には直鎖硫黄の両末端に非共有結合部位(水素結合)を導入したモノマーを作製し、その非共有結合部位を連結させたことで、分子量の大きい超分子硫黄ポリマーを創製した。硫黄ポリマー末端のラジカルのバックバイティング(硫黄ポリマー分解の原因の一つ)は両末端の非共有結合部位により抑制されている。直鎖中に露出する硫黄分子により、電気的または光学的に特異な物性を示す可能性がある。また非共有結合部位の可逆的な架橋構造により、利用後に分解でき、さらに再結合形成により再利用できる環境負荷の低い材料となる可能性がある。

Data

 Na2S・5H2Oと単体硫黄を水中にて室温で24 h攪拌することで硫黄を開環した。そこへUPy-NCOを溶解させたクロロホルム溶液を添加し、室温で1日間撹拌した。界面間に生じた沈殿を回収し、カラムクロマトグラフィーを行い、目的物である硫黄-UPyモノマーを得たうえで、超分子硫黄ポリマーの合成を行った

Expectations

共同研究、または出願特許の実施許諾

Publications

2021年8月23日~9月17日開催のイノベーションジャパンにて発表予定。

Patents

出願済(未公開)

Researchers

小林 裕一郎(大阪大学理学研究科 助教)

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