必要時に常温水だけで水素が発生するMg合金
想定製品
ポータブル水素発生装置
災害時や燃料補給が困難な場所で使用可能な,、瞬時に水素を生成できるポータブル水素発生装置。燃料電池や水素発電装置への水素供給源として利用可能
Advantage and Core Benefit
水の種類を問わない：腐食液や添加剤を必要とせず、塩水環境に限らず、蒸留水、真水、川の水や海水でも反応可能。
外部エネルギー不要：熱処理を施したMg-In-Ga系合金により、外部から熱を加えることなく効率的に水素を生成可能
出荷前長期保存可能：熱処理で第2相Mg5Ga2を固溶体化することで、加水分解反応を抑えて保存性を向上
Background and Technology
現状のマグネシウム系合金では、水素の発生速度が遅く効率的な水素生成が難しい。また、反応速度を向上させるためには外部加熱が必要で、実用上の限界があった。
これに対して本技術は、インジウムやガリウムを添加することで電位差を拡大し、常温での反応速度を飛躍的に向上させた。また、熱処理と焼き戻し処理を組み合わせることで保存性を高めつつ、必要時に水素発生特性を復元する手法を確立した。
Data
Mg-In-Ga系合金は、短時間で最大の水素発生量を達成
外部加熱が不要であるMg-In-Ga系合金を用いた本技術は、エネルギー効率性、保存性、環境適合性の点で従来技術を凌駕します。災害対応や燃料電池供給源としての用途を持ち、製品化および市場展開への可能性が高い。
Expectations
本技術をもとに、燃料電池や水素発電装置に向けたポータブル水素発生装置の実用化を目指す。共同研究を進めるにあたり、企業による製品化に向けた研究開発と、大学による学術研究および論文発表が相互に利益をもたらすWin-Winの関係での協力を期待する。
Patents
特許出願中
＊詳細情報の開示には別途NDAをお願いします
Researchers
糸井 貴臣 （千葉大学，大学院工学研究院，教授）
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