表面積の大きいペロブスカイト酸化物ナノ粒子の簡便な合成方法

2024/01/09 15:44 By Tech Manage

~触媒・圧電体・強誘電体・磁性材料などへの展開が期待~

Advantages

  • チタンなどのd0遷移金属も多段ステップなしにペロブスカイト酸化物の合成が可能
  • 雰囲気を制御した焼成法を併用することで、様々な複合酸化物の高表面積化が可能
  • 反応前に触媒の前処理(真空加熱排気)なしでも高活性

Background and Technology

ペロブスカイト酸化物は多様な元素の組み合わせが可能であり、“構造の多様性”, “高い安定性”, “物理化学的性質の制御が可能”などの特長を持つことから、触媒、電極材料、高温超伝導、誘電体、圧電材料などに応用されている。しかしその合成(ゾルゲル法)では、多段階のプロセスが必要であり、ナノ粒子の凝集に伴う比表面性の低下といった課題があった。
今回マンガン(Mn)などの3d金属だけではなく、チタン(Ti)などのd0遷移金属も水に可溶化することを見い出し、反応前の熱処理なしで調整した前駆体を焼成させる手法を発明した。また窒素雰囲気下での焼成の後に空気雰囲気下で焼成する2段階焼成を採ることにより、ペロブスカイト酸化物の表面積を大きくすることに成功した。

Expectations

  • 本合成技術の適用により、ペロブスカイト酸化物のみならず多様な元素組成からなる複合酸化物ナノ粒子を低コストで合成できることから、電極触媒・光触媒・排ガス浄化触媒・圧電材料・誘電体・高温超伝導・電極材料・熱電変換ナノ材料など多様な反応開発への応用展開が期待できる
  • 複合酸化物ナノ材料探索や新触媒反応開発への展開を考えている企業とのライセンス、共同研究または技術指導を希望

Patents

特願2022-122525,特許第6941315号

Researchers

鎌田 慶吾 教授 (東京工業大学科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所)

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