ABSの2倍以上の衝撃強度を実現した環境調和型PLAブレンド
Advantages
- PLAを基材とし、トチュウエラストマー(EuTPI)およびバイオ可塑剤を用いた、全成分バイオマス由来の高機能ブレンドポリマー
- 最大81.7kJ/m²というアイゾット衝撃強度を示し、ABSの約2倍・PLA単体の約30倍以上の優れた耐衝撃性と成形後の物性安定性を実現
- LCA評価によりGHG排出削減効果が明らかで、マテリアルリサイクルも可能な環境調和型素材として、石油系プラスチックの代替が期待される
Background and Technology
ポリ乳酸(PLA)やポリブチレンスクシネート(PBS)などのバイオマスプラスチックは環境負荷の低減に資する一方で、耐衝撃性や靭性の低さ、コスト面の課題により用途が限られていました。
本開発では、PLAにトチュウエラストマー(EuTPI)とクエン酸誘導体可塑剤(TBCなど)を添加し、さらに過酸化物を用いた動的架橋技術を適用することで、ABS(約28kJ/m²)を上回る最大81.7kJ/m²の衝撃強度と高い靭性を実現しました。
製造には単純ブレンド法・動的架橋法・マスターバッチ法を用い、二軸押出機による連続生産や最適な成形条件を確立するとともに、繰返し成形による物性維持とマテリアルリサイクル性も確認されています。
Data
- 可塑剤添加により耐衝撃性が向上(PLA単体の約30倍)
- 可塑剤の添加量を10wt%にすることで靭性が7倍向上

Expectations
製品化を目指した共同研究またはライセンスを希望しています。試験材料についてはMTA契約を締結の上有償提供を想定しています
Patents
WO2024-177051
Publication
あああ
Researchers
宇山 浩
大阪大学 工学研究科 応用化学専攻,教授
以下のフォームからお問い合わせください