超高周波向け極低伝送損失プリント配線板

2022/10/31 11:13 By Tech Manage

接着剤レスでフッ素樹脂と超平滑 Cu 箔を強力接着

Advantages

  • フッ素樹脂(PTFE)と超平滑Cu 箔の強力接着を実現

    低粗度Cu箔の1/5の表面粗さでも強力接着が可能であり、伝送損失の大幅な低減が期待

  • 熱アシストプラズマ処理により中間層無しで Cu箔と直接接着

    接着剤やプライマーなどの中間層を全く含まず伝送損失の大幅な低減が期待

Background and Technology

高周波化に伴う伝送損失の増加に対応するために、誘電体(樹脂基板)の材料は比誘電率と誘電正接が小さいフッ素樹脂に置き換わりつつある。しかしフッ素樹脂は接着性が乏しいため、Cu配線とフッ素樹脂の間に中間層を挿入したり、表面粗さが大きい Cu箔を使用したりする方法が採られてきた。しかし中間層はフッ素樹脂よりも比誘電率と誘電正接が高く、Cu箔は伝送経路が長くなるため、伝送損失を増加させる欠点があった。
そこで発明者らは、フッ素樹脂に対してプラズマ処理中に同時に加熱する「熱アシストプラズマ処理」を実施し、超平滑Cu 箔との熱圧縮条件を工夫することにより、中間層を挿入せずにCu 箔/PTFEの強力接着(1.0N/mm以上)を実現した。本接着技術はBeyond 5G時代を牽引する超低伝送損失のプリント配線板に向けたコア技術となることが期待できる。

Data

  • 基材が純PTFEでもガラスクロス入りPTFEでも1.0 N/mm以上の高い接着強度を達成
  • Cu箔の熱圧縮でもCu蒸着やCuスパッタリングによるCu薄膜作製でも0.9 N/mm以上の高い接着強度を達成

Expectations

 Beyond 5G を目指しているプリント基板関連企業との共同研究を希望
(PIやLCPからフッ素樹脂への置き換えを検討されている企業との共同研究を希望)

Patents

特願2021-140261

Researchers

大久保雄司 助教(大阪大学 大学院工学研究科 附属精密工学研究センター)

以下のフォームからお問い合わせください

Tech Manage