球体の磁性材料加工装置

2025/06/10 13:40 - By Tech Manage

Summary

  • 既存のドラム研磨機を改良し、やすりと永久磁石を用いて真球度の高い球体サンプルが得られる装置。
  • 磁石を使うことで効率よく長手方向の角を削ることが可能。
  • 1mm以下の微少サンプルも加工可能で、高周波デバイス用の球体にも適用可能。
  • 磁性材料の開発企業様、材料の受託検査をされている企業様を募集しています。

Background and Technology

パワーエレクトロニクス技術の進化に伴い、高機能な磁性材料の開発が求められている。磁性材料の性能を正確に評価するためには、評価装置に適した形状のサンプルを用いる必要がある。しかし、サンプルの形状が歪であったり、直方体など異方性を持つ場合、評価結果にばらつきが生じ、定量的な評価が困難になる。そのため、サンプルは異方性のない球状であることが理想的である。
本研究者は既存のドラム研磨機を改良し、高い真球度を持つ球体に加工できる装置を考案した。具体的には、ドラム研磨機の内側にやすり(下左図の耐水ペーパー)を貼り、外側に永久磁石を設置する(下右図)。ドラム内に水とサンプルを入れて回転させることで、磁性材料のサンプルが磁石の近くにとどまりながら研磨される。このとき、永久磁石の配置により、サンプルの長手方向が磁束の方向に揃うため、エネルギー的に安定し、サンプルの長手方向の角が優先的に削り取られることで、短時間で高い真球度を実現できる。この精度の高い球形試料を使えば、磁性材料の正確な評価が可能となる。さらに、本装置を用いることで、直径1mm以下の微少球体の加工も可能である。これは高周波デバイスへの応用が期待され、新たな加工手法としても有用である。

Expectations

筑波大学では、本技術にご興味のある以下のような企業様を探しています。
・磁性材料を開発されている企業様
・磁性材料を対象にした検査受託サービスをされている企業様
本技術に関し、研究者との直接のご面談によるお打合せや、筑波大学との秘密保持契約締結による未公開データ等の開示も可能ですので、お気軽にお問合せください。

Patents

特許出願中(未公開)

Researchers

柳原 英人 教授 (筑波大学 数理物質系) 

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