Advantages
- ゲルマニウム(Ge)負極に異種金属を添加することで充放電を繰り返しても劣化が抑えられるリチウムイオン電池
- リチウムイオン電池において長年期待されていた、Ge系電極の長寿命化をもたらす新技術。
- 添加金属としてはイッテルビウム(Yb)が最も劣化抑制効果が高く、Geより原子サイズの大きな他の金属でも同様の効果が期待できる。
- 本技術を用いたリチウムイオン電池、リチウムイオン電池素材の実用化にご興味のある企業様を募集しています。
Background and Technology
情報化社会の発展に伴い、リチウムイオン電池の負極の高容量化が求められている。ゲルマニウム(Ge)は、従来の炭素電極に比べて容量が5倍程度である上に、高速充放電が可能であることから次世代負極材料として注目されてきた。しかし、Ge電極は充放電により体積が膨張・収縮し、繰り返し法充電をすることによりひび割れが生じて急速に劣化し、電池の寿命が短くなるという問題があった。
そこで本研究者は、Geの基盤の中に少量の異種の金属を入れることによって膨張収縮を抑え、長寿命化が可能な電極を開発した。添加する金属としていくつかの金属を検討した結果、イッテルビウム(Yb)の添加が最も劣化抑制効果が高く、負極を長寿命化することがわかった。加えて、銅、ニッケル、銀、タングステン、タンタルなど原子サイズがGeより大きな金属元素は同様に効果が期待できる。本技術により長年の課題となっていたGe系負極の長寿命化が可能となり、次世代のリチウムイオン二次電池の発展が期待される。
Data

- Yb3%を含むGe電極を負極として用いた電池を用いて、負極の重さに対して1A/gの電流値を充放電し、そのサイクル特性を評価した。その結果、Ybを添加したGe負極の電池は、添加していないGe負極の電池より放電容量の低下が小さいことを確認した(右図)。
Expectations
筑波大学では、本技術にご興味があり、本技術のライセンス導入による製品化・実用化をご検討いただける、リチウムイオン電池を開発製造されている企業様、リチウムイオン電池のための原材料を取り扱われている企業様を探しています。本技術/プロジェクトに関し、研究者との直接のご面談によるお打合せも可能です。また、筑波大学との秘密保持契約締結により、未公開データ等の開示もご相談できます。
Patents
特許出願中(未公開)
Researchers
都甲 薫 教授 (筑波大学大学院 数理物質科学研究科) ほか
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