Advantages
- シンプル構成のノイズ除去回路:小型、低コストながら高性能
- 高いノイズ除去性能:電源由来や外来のノイズがセンサの出力信号に原理的に重畳されない
- 汎用性:マイクロフォン、フォトダイオードなど、静電容量型・電流出力型のあらゆるセンサのSN比向上に応用可能。
- ノイズ除去回路自体の動作に外部電源が不要
- 出力インピーダンスが非常に小さい。
- 自社のセンサ(マイクロフォン、フォトダイオードなど)に本技術を導入しませんか?
Background and Technology
マイクロフォン(Electret Condenser Microphone; ECM)をはじめとする、現在広く使用されている各種センサは、一般的に図1に示すような回路で構成されており、電源由来ノイズや外来ノイズが重畳しやすいという課題がある。これらのノイズを低減するためには、従来、回路のシールド、ノイズキャンセル回路の追加、電源の低ノイズ化といった対策が必要とされてきた。
筑波大学システム情報系の海老原准教授らは、これらの対策が不要となる、新たなノイズ除去回路を開発した(図2)。この回路では、ノイズの重畳メカニズムを逆手にとり、原理的にセンサ信号へノイズが乗らないように工夫されている。具体的には、シャントレギュレータなどを組み込んだ回路(図2点線部)を用いることで、電源電圧(Vcc)の「ゆらぎ」に起因するノイズや外来ノイズが、センサの出力信号に影響を及ぼさない構造となっている。図3に示す実験結果からも、その効果は確認されており、クリアな信号を得ることができる。
本技術は非常にシンプルながらも高い効果が期待される。付加する回路は部品点数が少なく、小型化が可能である。また、本回路の動作に外部電源は不要であり、導入コストを抑制できる。本技術は、マイク(ECM)、フォトダイオード、輝度センサ、曲げセンサ、接触センサ、開閉センサ、温度センサ、近接センサといった静電容量型・電流出力型センサのSN比向上に応用可能であり、幅広い分野での活用が期待できる。表1はシャントレギュレータを用いた回路(本技術1)と、同じ機能をトランジスタで構成した回路(本技術2)を、オペアンプなどをつかった従来技術と比較した結果を示している。本技術は極めて高いノイズ抑制効果(PSRR)を示し、優れたアドバンテージを持つことがわかる。さらに、本技術は出力インピーダンスが極めて低いことも特長である。



Expectations
筑波大学では、本回路技術を採用した製品の開発・事業化に関心を持つ企業を探索しています。本技術を貴社製品に採用してみませんか?技術的なノウハウの提供や特許ライセンスが可能です。ご関心ございましたら、ぜひ弊社へお問い合わせください。
Patents
WO 2024/128156 A1
*他に関連の未公開特許あり
Researchers
筑波大学 理工情報生命学術院 於保 拓高
筑波大学 システム情報系 研究員/名誉教授 水谷 孝一
筑波大学 システム情報系 准教授海老原 格
筑波大学 システム情報系 教 授若槻 尚斗
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