サイネージ広告認知を高めるピンポイント「チラ聞かせ」

2023/07/05 13:56 By Tech Manage

通行人がいる特定領域に短時間のみ立体音響を流すことで、サイネージ広告認知の向上と空間快適性の維持を同時に実現

Advantages

  • 通行人にピンポイントかつ短時間のみ「チラ聞かせ」音を流すことで、サイネージに注目しやすく、より長く見続ける効果がある
  • 立体音響の利用により、どのサイネージか直観で分かる
  • 通行人の顔の向きからサイネージを見ている時にだけ広告の音を流し、空間快適性を維持する
  • 模擬店舗の実証実験で、広告認知の向上と空間快適性の維持を同時に実現することを実証済み

Background and Technology

視覚情報であふれている現代社会において、デジタルサイネージには周囲の情報に埋もれその存在自体が気付かれにくい(ディスプレイ盲)との問題がある。これを解消するために音を流すと騒音となり空間快適性が損なわれる。つまり認知向上と空間快適性とはトレードオフの関係にある。
本技術は、このディスプレイ盲およびトレードオフを解消するための、ピンポイントな「チラ聞かせ」音を用いたデジタルサイネージシステムである。通行人にピンポイントかつ短時間のみ「チラ聞かせ」音を流すことで、サイネージに注目しやすく、より長く見続ける効果をもたらす。また立体音響の利用により、複数のサイネージがあってもどのサイネージか直観で分かる。さらに通行人の顔の向きからサイネージを見ている時にだけ広告の音を流すことで、チラ聞かせ音で興味を持たなかった人には音を流さず空間快適性を維持する。
筑波大学構内に設置した模擬店舗の実証実験で、広告認知の向上と空間快適性の維持を同時に実現することを実証済みである。
本システムはサイネージ広告に限らず、ニュースや交通情報をはじめ多様な場面、コンテンツでの利用が期待される。特に視覚的な情報があふれ、人々が情報を見落としがちな都市部において有用と考えられる。

Expectations

筑波大学では本技術を元にしたデジタルサイネージシステムの開発に関心を持つ企業を探索しています。大学との協業により、実際の公共空間や展示場・店舗などで効果を確認する実験を行うことが可能です。最終的には大学が持つ出願特許を実施許諾することで、本技術を事業に活用いただけます。ご関心ありましたら、ぜひ前述のプレスリリース中の動画をご覧ください。さらに詳細な技術情報の提供や協業のご相談がありましたら弊社へご連絡ください。先生との面談などを提案いたします。

Publications

筑波大学 プレスリリース(日本語):研究者が本技術を説明する動画があります。是非ご覧ください。
TSUKUBA JOURNAL 2023.05.08
技術論文:IEEE Access. 2023, Vol. 11, pp.42779-42794

Patent

出願済(未公開)

Researcher

善甫 啓一(筑波大学システム情報系 准教授)

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