レット症候群治療薬

2025/05/14 11:11 - By Tech Manage

既承認の低分子治療薬がレット症候群に対し薬効を示すこと新たに見出した。
当該治療薬のリポジショニングによるレット症候群治療薬の開発を提案する。

Advantages

  • 当該治療薬は幼児にも適応あり
  • 低い副作用
  • 経口投与

Current Stage and Key Data

前臨床研究段階
  • 当該治療薬はレット症候群モデル神経細胞の神経突起伸長を改善し、患者iPS細胞由来の神経細胞のサイズ・突起伸長を促進し、脳オルガノイドの大きさを回復した (in vitro) 
  • モデルマウスのローターロッド試験において投与群は野生型と同等の運動協調性を示した (in vivo)
  • 投与群は、非投与群に比べ、脳体積の減少が回復された(in vivo)
  • 行動毒性は、社会性行動・意欲行動の低下が見られたが、それ以外の異常は認められなかった(in vivo)

Background

レット症候群は、MECP2遺伝子変異が原因の進行性の神経発達障害である(指定難病)。女児1~1.5万人に1人(男児は胎生致死)の頻度で発症し、患者数は世界で64,000人程度である。生後18か月頃までは正常に発達するが、その後運動・言語能力の喪失が見られる。臨床症状としては、自閉症スペクトラム症・てんかん・知的能力障害・小頭症・運動機能障害・呼吸障害・全身の成長遅延などがみられる。治療薬としては、2023年にTrofinetide(IGF-1アナログ)が米国FDA承認されたが、臨床症状の改善はごく軽微であり、消化器系の副作用が問題となっている。また、正常なMECP2遺伝子を補充する遺伝子治療が研究されているが実用化に至っていない。そのため、新たな治療薬が求められている。

Expectations

  • 本特許技術の独占ライセンスパートナーを募集中
  • パートナー候補例:レット症候群、希少疾患、またはリポジショニング治療薬開発にフォーカスするバイオテック/製薬企業

Patents

特許:出願済(未公開)

Publication

  • 論文:未発表
  • CDAにより、当該治療薬と詳細データの開示が可能

Researchers

佐藤綾人 特任准教授(東海国立大学機構  名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所)
高橋悟 教授(国立大学法人 旭川医科大学小児科学講座)
野田幸裕 教授(学校法人 名城大学薬学部薬学科)


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