縄文人度測定遺伝子検査

2025/02/12 14:48 - By Tech Manage

現代日本人と縄文人のゲノム比較・祖先構造解析により特定した一塩基多型(SNP)132個を用いて、個人の縄文人度を推定する。

Advantages

  • 縄文人のゲノム情報を用いた大規模なゲノム解析に基づくため、ロジカルかつ精度が高い。

Background and Technology

古代人のゲノム解析により、現代人の祖先構造の再構成や遺伝的な変遷や、現代人の表現型への影響を把握することができる。実際に、ネアンデルタール人との交雑によりもたらされたゲノム領域が、現代ヨーロッパ人においてCOVID-19の重症化リスクとなっていることや、数千年前の遊牧民によりもたらされたゲノム領域が、多発性硬化症のリスクとなることが判明している。このように過去を理解することで、現代への影響を理解し、個別化医療への応用が期待されている。
近年、現代日本人は、先住狩猟採取民である縄文人に北東アジアや東アジアからの移民が混合した三重祖先構造を持つことが判明した。しかし、日本の各地域集団における祖先構造は不明のままであった。また、縄文祖先の現代人の健康に与える影響や、縄文祖先に由来する現代人のゲノム領域も不明のままであった。
私たちは、縄文人を含む22名の古代人ゲノムと現代日本人集団であるバイオバンクジャパン20万人のゲノム情報を統合することで、現代日本人の祖先構造の解析を行なった。これらの現代人と古代人のゲノムの統合解析により、日本人は縄文人・北東アジア人・東アジア人の三祖先から構成され、かつその割合は地域差があることが判明した。また、現代人の縄文祖先割合に、ゲノムワイド関連解析を応用することで、縄文割合と関連のある132の独立した一塩基多型(SNP)を同定した。このSNPを用いて遺伝的縄文予測スコアを算出する方法を考案し、他の日本人集団のゲノムデータに対して10%程度の精度で祖先割合を推定できることを確認した。

Data

  • SNP132個の遺伝子検査により、個人の遺伝的縄文予測スコアを算出した。
  • コホート研究により遺伝的縄文予測スコアを評価した結果、10%程度の予測精度で個人の縄文人度を推定できることを確認済。
  • 論文発表済(参考文献参照)。

Expectations

  • DTC (Direct-to-Consumer) 遺伝子検査サービスを提供する企業へのライセンス供与。

Publications

Researchers

岡田随象 教授(大阪大学 大学院医学系研究科 遺伝統計学)

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