ミトコンドリア蛍光染色剤(研究用試薬)

2024/12/12 17:47 - By Tech Manage

Advantages

  • ミトコンドリア内膜に局在する。
  • ストークスシフトが大きい。
  • 官能基導入による高機能化が可能(例えば局在性の制御)。
  • 水中での蛍光量子収率が60%と高く、細胞膜透過性に優れ、低濃度(50nM)で染色可能。

Background and Technology

ミトコンドリアは、全ての真核生物に存在する細胞小器官であり、外膜と内膜の2つの膜で区切られている。内膜は折りたたまれており、クリステと呼ばれるひだ構造を有し、酸化的リン酸化反応によるATP合成が行われている。
ミトコンドリアの機能不全は、神経変性疾患、癌、糖尿病等の多くの疾病と深く関連していることに加え、近年ではミトコンドリア機能と老化に関する研究例も多く報告されている。
ミトコンドリアの蛍光イメージングは、細胞内のミトコンドリア動態をリアルタイムで追跡できる技術であり、様々なミトコンドリア蛍光標識剤が開発されてきた。中でも、トリフェニルホスホニウム(TPP)に代表される脂溶性のカチオン性基を連結させたものが多いが、これらは分子量が大きくなってしまうことに加え、機能拡張性も制限されていた。私たちは、これらの課題を解決した蛍光色素を開発し、ミトコンドリア内膜への選択的な局在を確認した。今後、耐光性や局在制御など高機能化を進める見込み。

Data


  • 本蛍光色素(465nm吸収/575nm蛍光ピーク)を用いてHeLa細胞のミトコンドリア内膜のクリステ構造のイメージングに成功(STED顕微鏡、100nM)。

Expectations

  • 本蛍光色素試薬のライセンスパートナーを募集中。
  • CDAやMTA を締結してフィージビリティスタディを実施可能。

Patents

  • 特許出願済(未公開)

Researchers

山口 茂弘 教授(東海国立大学機構 名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所)


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