防曇ハードコート材料

2024/05/15 12:52 By Tech Manage

かご状ポリシルセスキオキサン(POSS)とオリゴエチレングリコール(OEG)の組み合わせによる、ガラス基板・アクリル基板の防曇ハードコート膜

Advantages

  • 防曇性、ハードコート性、耐水性を兼ね備えるハードコート膜

Background and Technology

ガラスや鏡等の曇りを防ぐ防曇技術は、自動車等のウインドウガラス・ショーウインドウ・メガネ・ゴーグル・ヘルメット・食品包装及び医療器具等に広く活用されている。防曇膜材料は、撥水性/親水性や無機材料(酸化チタン等)/親水性ポリマー材料等の種類があるが、使用環境範囲や成膜加工性の観点から、親水性ポリマーが主流である。しかし、ポリビニルアルコール(PVA)等の親水性ポリマーの多くは柔らかく、引っ掻き傷又は摩耗等により、透明性及び防曇性が次第に低下してしまう。私たちは、以前にPOSSを用いてハードコート性を備えた防曇ハードコート膜を開発し報告したが、耐水性が低いという課題があった。
私たちは、これらの課題を解決するため、POSSとOEGを組み合わせることにより、ハードコート性(鉛筆引っかき試験5-6H)・耐水性(親戚1時間後に膨潤・クラックなし)・防曇性(水蒸気暴露10秒間曇らない)を兼ね備えた新たな防曇ハードコート膜を開発した。さらにアクリル基板へのコーティング方法を開発した。

Expectations

  • 現在、新たな防曇ハードコート膜、その合成方法および樹脂基板へのコーティング方法を開発し、物性・特徴を解析済。
  • 本防曇ハードコート膜の実用化開発に取り組む協働パートナー企業を募集中。

Patents

  • 特許出願済(未公開)

Researchers

金子芳郎 准教授(鹿児島大学 大学院理工学研究科)


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