口腔環境改善マウスピース

2024/06/26 11:52 - By Tech Manage

マウスピースからポリフェノールを徐放し口腔内のカンジダ菌に対する抗菌効果で口腔環境を改善

Advantages

  • 天然由来成分のタンニン等ポリフェノールのため安心
  • 一日数時間装着することで口腔カンジダ症が消失
  • 口腔カンジダ症の予防/治療および高齢者の口腔ケアに最適

Background and Technology

口腔内がん患者では、がん切除後に免疫が低下して口腔内にカンジダ菌が繁殖する口腔カンジダ症を発症することが多く、患者のQOLを低下させている。抗生物質や抗真菌剤は併用禁忌薬が多く存在するため、既往歴・現病歴によっては使用できない。また、口腔内がん患者に限らず、高齢者の口腔ケアにおいてもカンジダ菌の抑制は重要である。
私たちは、植物由来天然成分のタンニン等のポリフェノールが抗カンジダ効果を示すことを見出し、口腔内がん切除後の患者口腔環境ケアのため、ポリフェノールを長時間持続的に口腔内に徐放できるマウスピースを開発した。更に歯牙や歯肉への負担が小さく、ステインの沈着を低減できる最適な構成を見出した。

Expectations

  • 顎関節症や顎欠損補填用のマウスピース(陰圧で形状をフィットさせる)を基にして、タンニンを練りこんだ表面層を形成した。そのマウスピースを、口腔がんを切除後に口腔カンジダ症を発症した患者に使ってもらったところ、1か月で口腔カンジダ症が消失することを確認した(上図)。また、患者の使用感も問題ないことを確認した。
  • 本技術は、顎関節症や顎欠損補填用のカスタムメイドのマウスピースに限らず、いびき防止用等の既製品マウスピースへの適用も可能であり、一般の高齢者や要介護高齢者の口腔ケアにも有用。
  • 本技術のライセンス導入による製品化・実用化を希望する企業を募集中。

Patents

特許登録済み 特許第7016137号

Researchers

鵜澤 一弘 教授,笠松 厚志 准教授 (千葉大学大学院医学研究院口腔科学)

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