MASH線維化バイオマーカー

2024/06/04 17:20 - By Tech Manage

血中のIgAタンパク質結合A2Fbisect糖鎖およびその前駆体糖鎖をバイオマーカーとしたMASHにおける肝線維化の診断

Advantages

  • 高い特異性。他の肝炎による線維化には反応しない。
  • 血液サンプルおよび簡易なキットで検出可能。

Background and Technology

代謝機能不全関連脂肪性肝炎(MASH、旧名:NASH)における肝線維化の進展は、肝硬変や肝がんの発症と繋がるため、線維化の早期発見は重要な課題である。肝線維化の評価は肝生検による組織学的評価が最も正確であるが、患者への負担が大きく感染症などのリスクもある。そのため、非侵襲的な評価として、血液中のヒアルロン酸・IV型コラーゲン・M2BPGi・FIB-4 Indexなどが用いられている。しかしながら、これらは他の疾患・炎症でも上昇するため、MASH特異性の高い診断マーカーが求められている。
私たちは、MASHにおける肝線維化の進展に伴って、血液中のA2F bisect糖鎖発現が上昇することを見出した。さらに、キャリアタンパク質IgAに結合したA2F bisect糖鎖およびその前駆体がMASHにおける肝線維化のバイオマーカーになることを実証した。

Expectations

  • これまでに、血中のIgAタンパク質に結合したA2F bisect糖鎖およびその前駆体糖鎖を検出する簡易なキットを試作し、MASH患者血液100検体以上を評価した。その結果、高い診断能を確認した。
  • AMED研究プロジェクト進行中。プロジェクト名:肝炎等克服実用化研究事業 肝炎等克服緊急対策研究事業 ”肝線維化の非侵襲的評価のための血清・肝組織糖鎖バイオマーカーの探索と実用化に関する研究”
  • 測定キットの製品化開発・診断薬保険収載を目指した体外診断薬開発を進めるパートナー企業を募集中。

Patents

  • 日本・米国・中国に特許出願済・審査中(公開番号:WO2021/010349)

Researchers

坂本直哉 教授(北海道大学大学院医学研究院)


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