抗スクレロスチン抗体薬が、特発性大腿骨頭壊死症の骨頭圧潰を防ぐ。
Advantages
- アンメット・メディカル・ニーズに対する新たな薬物療法
- 抗スクレロスチン抗体薬の適応拡大またはリパーパシング
Current Stage and Key Data

臨床研究段階
- 臨床研究:前向き臨床研究進行中。現在までに大腿骨頭壊死症患者3例に既承認の抗スクレロスチン抗体薬を投与し、2例で良好な結果(圧潰抑制)を得た。一例では壊死部の縮小あり(右図)
- メカニズム研究・非臨床研究:阻血性壊死モデルマウスに抗スクレロスチン抗体を投与したところ、Wnt/βカテニンシグナル活性化とIL-6増加抑制が確認され、骨壊死および骨圧潰が抑制された。
Background
特発性大腿骨頭壊死症(ONFH)は、大腿骨頭の虚血性壊死であり、骨頭圧潰し、変形性股関節症の原因となる。発症率は10万人あたり2例程度と稀少疾患だが、好発年齢が青・壮年期であり、起立性歩行障害等、QOLが著しく低下することから社会的な問題となっている。脂質代謝異常・血栓症・外傷などとの関連が示唆されているが、詳細は不明である。壊死を改善する治療薬はなく、現在の治療法は外科手術のみである。60歳未満の患者の80%以上で人工股関節全置換術が行われるが、若年患者における人工股関節全置換術の治療成績はさほど良くない。大腿骨頭壊死症は、骨壊死が発生した時点では自覚症状はないが、大腿骨頭に圧潰が生じた際に、股関節部痛、腰痛、膝痛、臀部痛などの自覚症状が出現する。骨圧潰を回避できた場合にはQOLが良好であることから、骨圧潰の進行を防止し、大腿骨頭を温存できる保存的治療法の開発が求められている。
抗スクレロスチン抗体は、骨粗鬆症薬として臨床使用されている。Wnt/βカテニンシグナルを促進し、破骨細胞の抑制・骨芽細胞の促進の機能をもつことが知られている。
Expectations
独占ライセンスパートナーを募集中
- パートナー候補例:抗スクレロスチン抗体薬開発、薬剤リポジショニング、整形外科領域、または希少疾患領域にフォーカスするバイオテック/製薬企業
Patents
- 特許:PCT国際出願中
Publication
Researchers
竹上靖彦 教授(東海国立大学機構 名古屋大学大学院医学系研究科)
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