カルバペネム低感受性緑色レンサ球菌の選択培地

2024/05/14 15:22 By Tech Manage

カルバペネム系を含むβラクタム系抗菌薬に耐性/低感受性を示す緑色レンサ球菌(VGS)の同定方法と選択培地

Advantages

  • カルバペネム低感受性VGSのみを特異的に培養できる選択培地。
  • VGSに対して抗菌薬を使う場合に、カルバペネム感受性を確認できる。
  • カルバペネム低感受性VGSの院内感染の疑いがある場合、採取サンプルを培養することにより、発生源を特定できる。

Background and Technology

緑色レンサ球菌(VGS)は、口腔内に常在することのあるグラム陽性菌であり、感染性心内膜炎の原因菌となることがある。VGS感染症の治療に使われるβラクタム系抗菌薬のうち、ペニシリン・セファロスポリン系には耐性菌が確認されており、その場合はカルバペネム系が切り札的に使われている。
私たちは、臨床においてカルバペネム系抗菌薬に非感性を示すVGS 25株を初めて同定した。これらのカルバペネム低感受性VGSは、他の多くのβラクタム抗菌薬にも耐性を示すことが確認された。現時点では、カルバペネム低感受性VGSの臨床検出報告例はほとんどないが、今後拡大し問題となることが懸念される。そのため、VGSに対して抗菌薬を使う場合は、カルバペネム感受性を確認することが重要である。
私たちは、同定したカルバペネム低感受性VGSについて、各種抗菌薬に対する感受性をディスク拡散法で解析し、ディスク拡散法による検出方法および選択培地を開発した。

Expectations

  • 現在までに、カルバペネム低感受性VGSの検出方法・選択培地の組成を開発した。
  • 検出方法・選択培地の具体的内容についてCDA下で情報開示が可能。
  • 選択培地の商品化や自動抗菌剤感受性検査システムへの組み込みに向けた協業パートナー企業を募集中。

Publications

Patents

  • 特許出願済(未公開)

Researchers

木村幸司 准教授(名古屋大学大学院医学系研究科)


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