様々な物性的特徴が予想され、熱伝導ナノワイヤー・パワー半導体・ダイヤモンド合成の種物質や医薬品原料等の用途が想定されるダイヤモンドイド化合物群およびその合成方法
Advantages
- 精密にデザインして化合物合成できるため、産業ニーズ・用途にあわせて設計・合成して機能を評価しながら材料開発を進めることが可能
- 医薬品原料として用いられるアダマンタン化合物の誘導体展開が可能
Background and Technology
ダイヤモンド・ナノダイヤモンド材料は、硬度・熱安定性・熱伝導性・透明性に優れ、理想的なパワー半導体となると予測されている。アダマンタンは10個の炭素原子がダイヤモンドの構造と同様に配置されたかご状の化合物であり、最小のダイヤモンドイド化合物と呼ばれている。アダマンタンを含む高次のダイヤモンドイド化合物は、ナノダイヤモンドよりもさらに小さなダイヤモンドである。高融点、負の電子親和力等の特性を持ち、構造によりバンドギャップや反応性が異なることが知られ、様々な応用研究がなされている。ダイヤモンドイド化合物は、原油からの単離や炭化水素の転化反応によって合成されるが、高次のものは入手・精製が困難である。
私たちは、分子合成的アプローチにより、ボトムアップで所望のダイヤモンド構造を構築することを目指して研究しており、アダマンタン縮環アレーンを合成する方法、およびアダマンタン縮環アレーンを脱芳香族化して高次ダイヤモンドイド化合物を合成する方法を新たに開発した。
Data
Expectations
- これまで20例以上のアダマンタン縮環アレーンを合成し、高溶解性のアレーン、σ–π共役によるHOMOエネルギーの上昇等を確認。
- アダマンタン縮環アレーンから脱芳香族化によりダイヤモンドイド化合物の合成・精製に成功。
- 今後、各用途の材料開発または医薬品開発を行う協働パートナー企業とニーズにあわせて化合物を設計・合成・評価しながら共同開発を進めたい。
Publications
Patents
- 特許出願済(未公開)
Researchers
伊丹健一郎 教授 (名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所)
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