Advantages
- Co, Ni, Mnの混合液でのそれぞれの回収を実証済み
- 短時間(10分)、高選択的(90%以上)な回収が可能
- 14員環アザマクロサイクル配位子(H2HAM)による回収
- 低環境負荷/簡便なハンドリング/専用機器不要のため、スケールを問わない処理プロセス化が可能
Background and Technology
リチウムイオン電池(LIB)にはニッケル、コバルト、マンガンなどの貴重な金属が多数含まれている。廃LIBの金属含有量は鉱石中の金属含有量よりもはるかに多く、その回収が注目されている。三元系リチウムイオン電池からの金属回収では、溶液中に金属イオンを溶出させ、その後の分離と回収を行うといった、湿式冶金的な手法を適用した研究例が多い。ただし、廃三元系リチウムイオン電池の浸出液には多くの種類の金属が含まれており、こういった溶液から効率的かつ環境負荷の低い方法で、一つの金属イオンを分離・再生することは困難で、各単一金属の回収方法は確立されていない。
本技術はこういった課題解決のための、H2HAMを用いた複数金属イオンの混合溶液からの選択的な金属イオンを分離回収方法である。H2HAMは比較的小さなN4空間を持つことを特徴とする化合物で、Co(II)イオン、Ni(II)イオン、Mn(II)イオンのイオン半径に応じて異なる生成物を形成する。例えば、Co(II)イオンとの反応では八面体構造を持つCoN4錯体が生成し、Ni(II)イオンとの反応では平面四配位型NiN4錯体が生成、Mn(II)イオンとの反応ではMn(II)イオンの上下に二分子の14員環アザマクロサイクル配位子が配位したMn(N4)2錯体が生成する。また、これらの生成物の溶解度は低いため、生成物はいずれも沈殿として高い収率で回収できる。さらに、本発明者は、この沈殿速度にはCo>Ni>Mnという序列があることを見いだした。こういった現象を利用し、Co, Ni, Mnを順に析出させ、それぞれを分離しながら沈殿として容易に回収することが可能となる。

Data
Co、Ni、Mnイオン共存下での競争実験
H2HAMとCo(OTf)2, Ni(OTf)2, Mn(OTf)2をモル比1:1:1:1で反応させたところ、Co錯体が優先的に生成されている結果となり、H2HAMはCo, Ni, Mnのうち、Coを認識した。

Expectations
現段階:H2HAMによる複数金属イオンの単独回収のコンセプトの実証が完了。
次段階:①配位子の回収リサイクルプロセスの実証・開発(進行中)
②各金属回収の効率的プロセス開発
③その他目的での用途探索、プロセス実証
本技術導入、または実用化/開発コラボレーションに関心のあるパートナー企業を募集しています。③に関する、企業様のご提案も歓迎致します。先ずは、技術の詳細説明とディスカッションから、スタートさせていただければ幸いです。
Patents
特許出願済み
Researchers
国立大学法人静岡大学 大学院総合科学技術研究科理学専攻 准教授 守谷 誠
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