二酸化炭素と酸素の混合ガスから、二酸化炭素だけを分離する新技術

2024/06/19 16:03 - By Tech Manage

Advantages

  • 電気化学的反応により二酸化炭素だけを分離する技術
  • 酸素を含まない、純度の高い二酸化炭素が得られる
  • 二酸化炭素を吸着や吸収によらず分離・収集するため、二酸化炭素をそのまま利用できる

Background and Technology

環境問題の観点から、二酸化炭素の分離回収やその後の利用・貯蔵といった技術の開発が進んでいる。二酸化炭素の分離回収技術のひとつに、アミンにより吸収する手法がある。しかしながら、この方法は窒素酸化物(NOx)によりアミンが劣化し、持続的な運転が難しいとされる。また、分離回収後の二酸化炭素をエチレンガスに変換するような再資源化を考えたときに、二酸化炭素の分離純度はできるだけ高いことが望ましい。
大阪大学の神谷和秀准教授の研究グループは、新しい二酸化炭素分離技術を開発した。この技術では、タイロンという化合物を酸化還元活物質として電気化学的な処理によって、二酸化炭素と酸素の混合ガスから二酸化炭素を高純度で分離・収集できることを実証した(下図参照)。分離後の純度は97%超と非常に高いことから再資源化に向けて扱いやすい。
本技術による二酸化炭素の分離を行えば、エチレン・メタン・アルコールなどの有用物質への再資源化において、分離後ガスに酸素が含まれることによる技術的問題を解決(合成工程の簡略化やエネルギーコストの削減)が期待できる。また、原理的に、硫黄酸化物(SOx)やNOxによる劣化を受けにくいことから、工場排気のようなコンタミのあるガスに対しても本技術は適用できる。

Expectations

本技術の関心をお持ちでしたらぜひ弊社へお声がけください。本技術は実験室で実証が完了していますので、大型化や製品化について企業様にて事業開発を進めていただくスキームとなります。技術実証や製品開発に必要な情報や技術を大阪大学から提供いたします。提供に際して、秘密保持契約や特許に関する契約(ライセンスなど)をご相談できます。

Patents

特開2022-178596

Researchers

神谷和秀 准教授 (大阪大学 太陽エネルギー科学研究センター)

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