ロボット手術用の簡易吸引チューブ

2023/04/20 16:25 By Tech Manage

術中に沁み出てくる体液を詰まることなく吸引・把持して術野展開することも可能

Advantages

  • 吸引用のチューブの先端に塊状にした医療用スポンジやガーゼを結合させたシンプルな構造
  • 硬い筒状の吸引管に比べて適切な部位への配置が可能
  • 軟質のカテーテルを使用した場合に生じる組織片によるつまりの問題がガーゼ塊を介することで解決

Background and Technology

ダビンチをはじめとするロボット手術が大病院の外科手術に用いられるようになってきている。ロボット手術の鉗子や電気メスは可動性が高く切開や把持の部分では有用性が高い。しかし、術中に体液が沁み出て貯留する症例が約2割程度あり、この体液の吸引においては課題が多い。手術ロボットのインスツルメンツとして専用の吸引用鉗子はあるものの、手術用の鉗子との置換えになり、施術用のチャネルを減らすことになるので有用性は低い。このためロボット手術の際には患者の体表穴を空けて吸引チューブなどのサポート器具を挿入している。現状では腹腔鏡手術用の吸引管を挿入することが多いが、硬い筒状であるため、ロボット鉗子との緩衝や適切な部位への誘導・配置ができないなどの問題がある。吸引管ではなく、軟質の吸引用チューブ(カテーテル)や先端に多孔の金具(吸引嘴管)を装着したチューブなどが提案されているが、組織片による詰まりの問題や適切な位置への誘導ができないなどの課題がある。
発明者らは、カテーテルの先端に球状のガーゼを絹糸で縫合した吸引チューブを考案して、実際のロボット手術に用いたところ、詰まりなどの問題が起こらず、適切な位置への設置が容易で、ロボット鉗子で把持展開も可能であることを確認した。

Data


  • カテーテル(①)の先端にツッペルガーゼ(②)を絹糸で縫合し吸引用チューブと結合した(③)。
  • 患者の体表から吸引チューブを挿入し(④)体液が貯留した患部を吸引しながら鉗子操作によって術野を展開することも可能であった(⑤)


Expectations

本発明の手術用の吸引チューブを共同開発、製造販売していただける企業様を探しています。
特に医療用ガーゼや鏡視下手術用スポンジの開発企業、カテーテルの開発企業様の知見と発明者の臨床的知見を組み合わせた共同開発を望んでいます。

Patent

特許出願中(未公開)

Researcher

牛込創先生(名古屋市立大学・消化器外科)

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