HFpEF治療薬

2022/10/04 16:04 By Tech Manage

心筋における抗線維化因子を誘導する新規メカニズム

Advantages

  • 心臓の線維化を抑制するMeflin分子の発現メカニズムに注目した新しい治療コンセプト
  • HFpEFの動物モデルで候補化合物Xが効果(拡張不全の改善)を示した
  • リポジショニングだけでなく抗線維化因子の誘導剤の新薬開発も可能

Background and Technology

慢性心不全には左室収縮不全のHFrEFと左室駆出率が保たれた拡張不全が主体のHFpEFがあり、その患者数はほぼ同数であることが報告されている。これまで、心不全治療薬としてβ-blocker・MRA・ANRI・SGLT2阻害剤の4剤が開発されており、SGLT2阻害剤の一部ではHFpEFに対する予後改善効果も報告されている。しかし、これらの効果も限定的であり、HFpEFの病態の詳細な理解にもとづいて開発された薬物療法は開発されていない。
本発明者らは、これまでMeflin発現が心臓線維化に抑制的に働くことを報告している。Meflinの喪失により正常の心線維芽細胞から筋線維芽細胞への分化が促進され、Meflin欠損マウスはHFpEF様の心不全を発症する。Meflinの発現を誘導する薬剤スクリーニングを行ったところ、数種類の化合物がヒットした。さらに、近年発表されたHFpEFのマウスモデルにおいて効果を検証したところ、候補化合物Xにより有意に左室拡張能の改善を認めた。本発明により、候補化合物Xおよび類似化合物のHFpEFへの適用拡大や、心臓の線維化メカニズムを標的とした新規のHFpEF治療薬の開発が期待される。

Data

Expectations

候補化合物Xや類似化合物の知見に基づくHFpEF治療薬開発に関心のある企業とのコラボレーションに期待しています。

化合物の詳細な情報はCDA下での開示が可能です。

Patents

特願2022-073966

Researchers

加藤勝洋先生、榎本篤先生(東海国立大学機構・名古屋大学)


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