超小型かつ高効率なヒートポンプ

2023/08/01 16:46 - By Tech Manage

蒸気インジェクターのスロート部内径を狭めることで、
水と蒸気の直接接触凝縮による高い伝熱性能と噴流ポンプとしての昇圧性能を実現

Advantages

  • ヒートポンプサイクルの凝縮器と圧縮機を、駆動に外部電源を必要としない蒸気インジェクターで補助し、システム全体を高効率化
  • 蒸気インジェクターのスロート部内径を狭めることで、水と蒸気の直接接触凝縮による高い伝熱性能と噴流ポンプとしての昇圧性能を実現
  • 小型化によりヒートポンプの設置性を向上
  • 空調機や給湯器の省エネルギー化に貢献

Background and Technology

様々な環境で空調機や給湯器として利用されているヒートポンプシステムは、地球温暖化対策や省エネルギー技術として注目されているが、その高効率化や小型化が課題となっている。
蒸気インジェクター(エジェクター、以下「SI」)は、水と蒸気が直接接触し凝縮することで駆動する静的な噴流ポンプであり、下図の通り、水ノズル・蒸気ノズル・混合ノズル・スロートおよびディフューザーから構成される。SIは駆動に外部電源を必要とせず、水と蒸気の間の伝熱性が非常に高く、噴流ポンプとしての優れた昇圧能力を持っている。SIがヒートポンプサイクル中の凝縮器や圧縮機を補助することで、システム全体の効率向上が期待される。
筑波大学 阿部豊教授の研究グループは、SIのスロート部内径を非常に小さくする(1 mm以下)ことで、昇圧性能が非線形的に向上することを数値計算から見いだした。その後の実験から、実際に昇圧性能が劇的に向上することを実証済みである。この優れた性能を持つSIを圧縮機に導入する冷媒の昇圧に用いることで、ヒートポンプシステムのエネルギー効率を向上すると期待される。

Expectations

筑波大学では、本技術を元にしたヒートポンプシステムの開発に関心を持つ企業を探索しています。本技術にご関心がありましたら、ぜひ弊社へお問い合わせください。

Publication

Patents

  • 特許第6160993号
  • 特許第6195235号

Researcher

阿部 豊   筑波大学システム情報系 名誉教授 

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