悪性皮膚がんに対する免疫療法の治療効果予測マーカーG6PD

2021/10/05 10:42 By Tech Manage

G6PDは免疫活性型のがんで発現が低く細胞分裂型のがんでは高発現し、免疫活性型のがんでは免疫チェックポイント阻害剤が有効である

Advantages

  • G6PD活性は血清中の生化学分析で測定でき、悪性度や予後、治療効果の経過をモニターするマーカーとして有用
  • PD-L1の発現では診断できない免疫チェックポイント阻害剤の効果判定が可能であり、悪性黒色腫にも適用できる可能性がある

Background and Technology

 メルケル細胞癌(MCC)は稀で悪性度の高い皮膚癌である。MCCを対象に免疫チェックポイント阻害剤をはじめ、がん免疫に着目した治療薬開発が進められている。PD-L1の発現を指標に免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を予測する試みがされているが、組織発現の不均一性が大きく診断としては不十分であり、治療経過をモニターすることもできない。

 発明者らはMCCでの免疫状態を評価する目的で網羅的な遺伝子解析を行い、MCCが発現遺伝子群の特徴から「免疫活性型」と「細胞分裂型」の2タイプに分類できることを見出した。グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)は「細胞分裂型」で発現の高い遺伝子の1つであり、遺伝子発現量または組織免疫染色で分類したG6PD低発現「免疫活性型」の患者の予後は「細胞分裂型」に比較して良好であった。G6PD活性は、血清検査でも測定することができ、G6PD活性は治療後に有意に減少し、Avelumab投与患者のG6PD活性の推移をモニターすることができた。

 発明者らは悪性黒色腫でもG6PDの発現解析を行っており、G6PD活性を指標にした、皮膚がんにおける免疫治療の効果判定診断が確立されることが期待される。

Data

  • 生存曲線からG6PD(RNA)高発現群の患者の予後は低発現群のそれと比較して悪かった(n=40)。
  • MCC患者血清中のG6PD活性はがんの進行ステージと相関し外科的治療・放射線治療後に有意に減少した。

Expectations

特許のライセンスを受けて、本技術を元にした診断技術を実用化する企業とのパートナリングを希望します。

Patents

PCT/JP2021/014174
Nakamura M, et al. J Immunother Cancer 2020;8: e001679. doi:10.1136/jitc-2020-001679

Researchers

中村 元樹 講師(名古屋市立大学・医学研究科)


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