医療事故の発生予測システム

2021/05/20 20:32 By Tech Manage

電子カルテの情報から点滴・ドレーン類の自己抜去の発生確率を予測し医療従事者の負担と患者の入院期間の長期化リスクを軽減する

Advantages

  • 患者・医療従事者からの臨床ニーズの高い、一般病棟での自己抜去の予測が可能
  • 医療事故の予測機能を付加することで電子カルテの高付加価値化

Background and Technology

 高齢の入院患者の多い病院内では、認知症、せん妄等を背景としたドレーンや点滴類の自己抜去、転倒・転落などの医療事故が多発している。こうして発生した医療事故は、入院期間の長期化や、医療従事者の負担増の原因となっている。
 このような背景から、院内で発生する医療事故を予測するチェックシート等が開発されているが、精度は不十分である。また、集中治療室(ICU)における医療事故(点滴やドレーン類の自己抜去)に関連する要因などの知見は散見されるが、一般病棟に用いることのできる技術は存在しない。
 発明者らは、大学病院の65歳以上の入院患者の電子カルテのデータをもとに、人工知能技術を用いた医療事故の予測を試みた。
 予測モデルの学習に用いるデータとして院内インシデントレポートにおいて医療事故が記録されている群を抽出し、性別・年齢・発生病棟をマッチさせる形でコントロール群を抽出した。予測モデルの目的変数として自己抜去の有無を、特徴量として属性データ(性別、年齢など)といくつかの情報を設定し解析したところ、入院中30日以内のドレーン、点滴類の自己抜去発生の有無を予測するモデルを構築するに至った。

Data

  • 入院中のドレーン、点滴類の自己抜去発生群で783件、コントロール群で2570件を抽出し、入院中30日以内の自己抜去の有無を予測する予測モデルを構築した。
  • AUROCは年齢・性別などの属性データのみを利用した場合で0.616、これに加えてある情報を加味した場合で0.723だった(現在精度向上中)

Expectations

電子カルテの開発企業との協業や共同研究・共同開発によって、医療事故の予測機能を付加した電子カルテシステムを構築したいと考えております。

Patents

特許出願中

Researchers

明智 龍男 先生 (名古屋市立大学病院・副院長)

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