超強力酸化触媒

2021/12/29 17:18 By Tech Manage

温和な条件下で難分解性有機物を分解・資源化する触媒

Advantages

  • 水溶液中温和な条件で酸化分解可能
  • 高い触媒活性を示す
  • 触媒は簡単に調整可能であり、その安定性も高い
  • マイクロプラスチック分解、バイオマスの分解・資源化への応用可能性も期待できる。

Background and Technology

 近年、廃プラスチック・木くず等の有機物を含む廃棄物の処理による環境問題が生じている。これに対して様々な廃棄物処理方法の研究開発が熱心に行われている。
しかしながら、その方法の多くは、高温や高圧の条件を必要とするものであり、エネルギーやコスト面での問題が残っている。

 研究者らのグループでは、温和な条件においてメタンを高効率に有用化学物質に変換できる触媒の研究開発を行っている。
メタンは安定性が高いため、化学変換が困難であることが知られており、金属錯体触媒でメタンのC-H結合を活性化させることですら困難とされている。
研究者らのグループでは、ポルフィリンやフタロシアニンの超分子型錯体に着目し、高い酸化活性を持つ新規な遷移金属オキソ種の創製に取り組んでいる。

 今回、二階建て型鉄フタロシアニン錯体をグラファイトに担持(右図)することで、過酸化水素を含む水溶液中メタンをメタノール、ホルムアルデヒド、ギ酸へと高効率に変換する触媒を合成した。
この触媒は、メタンのみならず様々な難分解性有機物を酸化分解し、二酸化炭素にすることなくアルコール、カルボン酸など有用な有機低分子に変換でき、幅広い応用展開の可能性が期待される。

Data

本発明の触媒により、リグニン、セルロース、ポリエチレン、グルコース、ベンゼン、メタン、エタンの分解を確認した。

Expectations

本技術にご関心をお持ちの企業を探しております。ご関心をお持ちいただけましたら、次のステップとして山田先生との面談をご提案いたします。

Patents

特願2020-514090

Researchers

山田 泰之 准教授(東海国立大学機構名古屋大学 物質科学国際研究センター)

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