バイオベースのブロック共重合技術を用いた新たなポリマー共同開発のご提案

2022/01/24 14:07 By Tech Manage

微生物培養により石油原料不使用のポリマー合成とその物性改良を実現する

Advantages

  • 従来PHAに対し、伸張性・加水分解性・柔軟性・機械的強度の向上を実証済
  • 2セグメント(ホモ重合セグメント/ランダム重合セグメント)によるブロック重合体ポリマー
  • 求める性能によって分子レベルで設計可能なポリマー

Background and Technology

 生分解性や生体適合性などの特性を持つことから、PHAは石油由来のプラスチックの代替材料として注目を集めており、その開発は長年国内外の多くの企業や研究機関で進められているが、その物性・加工性、製造コストなどくつかの課題がある。
そんな中、現在商業生産されるPHAは、3-ヒドロキシ酪酸(3HB)と3-ヒドロキシヘキサン酸(3HHx)の共重合体である。
微生物において通常2種類以上のモノマーは無秩序に配列され、PHAは、ランダム共重合体として生合成される。

 本研究グループは、バイオポリマーの物性等の改良のためブロック共重合体の開発を行い、ホモ重合セグメントとランダム重合セグメントを有するブロック共重合体を提供する方法に至った。
このブロック共重合体は、本発明者らによる先行技術P(2HB)-b-P(3HB)と比較し高い伸張性を有し、特に、2HBのホモ重合体と3HB及び3HHxからなるランダム重合体が結合したブロック共重合体①P(2HB)-b-P(3HB-co-3HHx)は1200%を超える高い伸張性を有する。 
他にも、3HBからなるホモ重合体とGL及び3HBからなる共重合体とが結合したブロック共重合体②P(3HB)-b-P(GL-co-3HB)や、3HBからなるホモ重合体とGL、3HB及び3HHxからなる共重合体とが結合したブロック共重合体③P(3HB)-b-P(GL-co-3HB-co-3HHx)の重合実績がある。
③はGLが導入されていることにより、非酵素的加水分解性が向上し生体内での高い分解性を発揮する。また、共重合セグメントはグラディエント構造をとり、更に3HHxが導入されることで柔軟性が大幅に向上されることが示された。
さらに、モノマーの組み合わせにより様々なPHAブロック共重合体が合成可能であり、用途に応じた材料開発の可能性がある。

Data

A:NMRスペクトル

得られたポリマーを4つのシグナルの相対強度で分析したところ、分子の両端と中央部分がそれぞれ異なるトリブロックに近いグラディエント構造であり、GL分率の高い内部構造を持つことが分かった。

B   引っ張り試験

引っ張り試験結果は、傾きが緩やかであることから柔らかい物性で、伸張性もあることがわかる。3HHxユニットが導入されることにより、柔軟性が大幅に改善されることが示された。

Expectations

現段階:PHAホモ重合セグメント/ランダム重合セグメントによる複数種のブロック重合体ポリマーの作製についてコンセプト実証完了した段階。
次段階:PHAに求める性能・機能向上テーマを持ち、ポリマー重合を研究室と取り組み、性能評価いただけるける協働パートナー企業を募集しています。共同でのグラント申請等も検討可能です。
最終的には、本ブロック重合体ポリマーを活用した製品開発への応用を目指しています。

Publications

Matsumoto et al., Biomacromolecules, 19(2), 662, 2018
Kageyama et al., Scientific Reports, 11, 22446, 2021
Phan et al. Biomacromolecules, 2022 in press

Patents

国内出願済

Researchers

教授 松本謙一郎 北海道大学工学研究院 応用化学部門 生物合成化学研究室
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