多孔質材料内部や処理面裏側まで活性改質可能な新たな構造の高速大気圧プラズマ処理装置(*)

2021/05/21 13:47 By Tech Manage

~ キャリアガス充満型の新たな構造を特徴とする装置 ~

Advantages

  • 薬液処理を回避し、ドライ改質処理が可能
  • 骨再生用ポリ乳酸(PLA)スキャフォールドでの親水化処理を実証済み
  • 大気圧プラズマにも関わらず、数秒から数分の短時間処理が可能
  • 医療用途・工業用途の幅広い処理材料(HA,β-TCP,PI,PP,PET,PTFE等)で実証を予定

Background and Technology

 多孔質体等の材料の濡れ性や性能改質のため、また他材料との接合・接着ニーズを実現するため親和性表面へ改質、洗浄のための技術が求められている。そういったニーズに対し、UV処理やプラズマ処理など様々な処理技術が存在する。これらの中でも、大気圧プラズマ照射法は、簡便で高速という特徴を有する。
しかし、従来の大気圧プラズマ照射法では、多孔質体の最外表面のみが処理可能で、内部の改質は極めて困難だった。また親水処理に関しては、NaOH溶液への浸漬などの方法もあるが、処理時間が数時間となることや、処理後のリンス時間の必要や機械強度の劣化といったデメリットもあった。
 本装置の構成は、処理材料を収容するための99%以上のキャリアガス(Ar、He等)で充満させた囲み素材(ガラス、アルミナ、ジルコニアなど)による空間、プラズマを発生させる電極、プラズマ伝搬路を備えた装置である(下左図)。
プラズマは処理空間外から照射されるが、仕切り(囲み素材)をトンネリングしたかのように、処理空間全体を伝搬する。この装置により、短時間で多孔質材料等の内部・裏側まで改質が可能となる。
骨再生スキャフォールドを移植した後、再生骨がスキャフォールドを覆い安定化するまでに長時間を要するが、これはスキャフォールドが疎水性表面であるため血液が浸透し難く、骨細胞との親和性が得難いためである。
今回、3Dプリンタで作製されたPLA骨再生スキャフォールドを、本装置の大気圧Heキャリアガス充満空間で5分間処理したところ、プラズマ照射した反対側の表面から0.8秒で透水する親水表面への改質が実証された。
 骨移植再生をはじめとする医療分野だけでなく、例えばヒートマネージメントのために多孔質体に熱伝導流体を流す改質ニーズ、また親和性表面処理など、現存方法で難易度の高いその他工業ニーズに対しても、適用可能と想定される。

(*)一旦、処理空間内の空気を排出してキャリアガスで充満させる

Expectations

本装置の実用化、または本装置を用いた製品・アプリケーションの評価・開発に関心をお持ちのパートナー企業を探しております。

Patents

特願2019-155512 多孔質体の改質方法および改質装置

Researchers

公立大学法人 大阪


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