新たなメカニズム発見による新製剤開発
Advantages
- ビスマスの中枢神経への作用は初めて得られた知見
- ヒト脳血管内皮細胞、脳外傷モデルにおける、Bismuth Subnitrate/Subcitrateの投与実証済み
- 血液脳脊髄関門(Blood-brain spinal cord barrier; BBSCB)保護効果、脊髄損傷モデル修復効果確認
- 独自のスクリーニング系による新規化合物の探索も可能
Background and Technology
ビスマス製剤は古くから抗菌作用を 有することが知られ、感染性腸炎、消化性潰瘍やヘリコバクタ-・ピロリによる感染症などに対して用い られていた。
次クエン酸ビスマス(CBS)と次サリチル酸ビスマス(BSS)の抗菌作用は強いが、次硝酸ビスマス、次炭酸ビスマスは抗菌力が弱いといわれる。
本研究者は、血液脳脊髄関門(BBSCB)の破綻を防ぐことで、脳・脊髄などの中枢神経の二次損傷が軽減できることに着眼し、独自のスクリーニング系を用いて、BBSCBの保護剤の探索研究を行う中で、ビスマス製剤がBBSCB保護効果を持つことを見出した。
今回、そのメカニズムを解明し、血管内皮細胞の保護などにより、損傷の修復や神経保護作用をもたらすことを明らかにした。また、その他の、既知/新規化合物における効果も見出されている。
Data
■行動機能評価
脊髄損傷モデルでのトレッドミル歩行速度解析で、Bismuth投与群に優位な歩行機能改善効果がみられた。
■組織学的評価
脳損傷モデルにおいて、Bismuth、PapaverineはIgG漏出を優位に抑制した。
Expectations
下記テーマでの、ライセンス、共同研究に関心をお持ちのパートナー企業を探しております。
①見いだされたビスマス化合物の開発・製品化に関するライセンスや共同開発
②BBSCB機能低下に関連する中枢神経疾患を対象とした、新規化合物スクリーニングや薬効評価の共同研究
Patents
国内出願済
Researchers
国立大学法人北海道大学 医学研究院 特任准教授 角家 健
英文概要はこちらよりご確認ください。
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