過酸化水素を産生する光触媒樹脂

2021/08/04 10:08 By Tech Manage

可視光照射のみによる水から過酸化水素を製造する技術

Advantages

  • 低コスト:汎用樹脂を原料とし調製した有機触媒(メタルフリー)に対し、可視光を照射するのみ
  • 高い光エネルギー変換効率で、安定に過酸化水素(H2O2)を供給できる


<想定製品>

光触媒活性を有する塗料; 細胞培養保存容器;  抗菌樹脂製品(育児・介護用品、ネイル・コンタクトレンズの保存容器など衛生用品、台所・トイレ・風呂などの生活用品); ほか

Background and Technology

フェノール類を架橋させた低コストの有機半導体樹脂からなる光触媒の応用技術。安価な汎用のレゾルシノール/ホルムアデヒド樹脂を一定条件で焼成させた触媒(以下RF触媒と呼称)に対し可視光を照射することにより、水中で、水の酸化と酸素の二電子還元を効率よく進行させ、極めて高い光エネルギー変換効率で過酸化水素を生成することが可能。

<想定製品>

光触媒活性を有する塗料; 細胞培養保存容器;  抗菌樹脂製品(育児・介護用品、ネイル・コンタクトレンズの保存容器など衛生用品、台所・トイレ・風呂などの生活用品); ほか

Data

  • 本発明のRF触媒は、n型の半導体特性を示し、水の酸化と酸素の二電子還元に適したバンド構造を有することから、600 nm以上の長波光励起により過酸化水素を生成すると考えられる。
  • 250℃で焼成を行い調製したRF触媒(10 mg)を透明基板に接着し、水中で蛍光灯(60W、家庭用スタンド)を連続的に照射したところ、効率よく過酸化水素を生成し、約100 ppmで飽和した。
   ※ 100 ppm の過酸化水素水溶液中では大腸菌などの微生物はほとんど生育しない。
  • 連続500時間以上の光照射を行ったが、触媒の劣化はなく、また活性(過酸化水素の生成)に変化は全く見られなかった。

 1|本発明のRF樹脂
フェノール樹脂(ベークライト)の一種で、プラスチック製品、成形用鋳型、断熱材、塗料、接着剤などの原料として用いられている。縮合・付加反応により簡単に合成が可能。

 2|光照射による過酸化水素の生成試験
RF触媒樹脂を固定した基板を水中に入れ、光(家庭用蛍光灯)を照射した結果、過酸化水素が連続的に生成することが確認できた。さらに約1,000時間まで実験を継続したが過酸化水素濃度にこれ以上の変化は見られなかった。また、光照射および過酸化水素の生成による樹脂の劣化は、特に認められなかった。

Expectations

テックマネッジ株式会社では、大阪大学からの委託により、本発明のライセンス導入による製品化・実用化をご検討いただける企業様を探しています。
本発明に関し、発明者との面談も可能です。ご希望等ございましたら何なりとお尋ねください。また、大阪大学との秘密保持契約締結による未公開データ等の開示の他、本発明者らとの共同研究や、一定期間における独占的または非独占的な評価のほか、実施許諾の優先交渉権等のオプション設定についてご検討いただくことも可能です。

Publications

Shiraishi, Y et al., “Resorcinol–formaldehyde resins as metal-free semiconductor photocatalysts for solar-to-hydrogen peroxide energy conversion.” Nature Materials (2019) 18, 985–993. | https://doi.org/10.1038/s41563-019-0398-0

Patents

PCT/JP2017/037488(WO 2018/074456 A1) 出願人:大阪大学  日・米 移行済み
日本:特許6765132号、 米国:Notice of Allowance (as of June 30, 2021)

Researchers

白石 康浩 准教授 (大阪大学 太陽エネルギー化学研究センター)
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