中低温で動作可能なSOFC用新規固体電解質

2021/10/13 14:21 By Tech Manage

新たな酸化物イオンO2-伝導体(六方ペロブスカイト関連化合物)を発見

Advantages

  • 中低温域である300℃付近においてYSZや酸化ビスマス固溶体より高い伝導度を示す
  • 広い電解質領域(2×10-26~1気圧@600℃)を有し、高い輸率と相安定性を持つ
  • 希土類、Ti、Bi、Pbを有しない

Background and Technology

 固体酸化物形燃料電池(SOFC)は発電効率が特に高く、燃料の改質装置を必要とせず長期安定性に優れるため、家庭用および業務用に広く応用できる可能性がある。
SOFC用電解質としてはYSZが用いられることが多いが、電池に必要な酸化物イオン伝導度を得るためには700℃以上の高温にする必要があり、設備が大型になる欠点があった。
今回より低い温度領域(300℃付近)において高い伝導度を有する本物質の発見により、小型化・低コスト化が期待できる。
 また、最高水準の伝導度を示す新型プロトンH+伝導体も発見しており、こちらの材料はプロトンセラミック燃料電池(PCFC)へ展開できる可能性がある。

Data

Ba7Nb3.9Mo1.1O20.05の高い酸化物イオン伝導度()。既知の酸化物イオン伝導体との比較


800℃におけるBa7Nb3.9Mo1.1O20.05の構造、中性子散乱長密度分布と酸化物イオン拡散経路。a:結晶構造、b:中性子散乱長密度分布の等値面、(001)面(c'層)上のc:原子配列とd:中性子散乱長密度分布。

Expectations

燃料電池用のセル、スタックおよびシステムが設計および作成可能な企業との共同研究を希望。
なお、今回発明した本材料を本学から提供することは可能。

Patents

WO2020/153485

Researchers

東京工業大学 理学院 化学系 八島 正知先生

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