接ぎ木効率の向上と接ぎ木品種の拡大

2021/08/05 18:17 By Tech Manage

接木用台木植物に特定のセルラーゼ(β-1,4-グルカナーゼ)を過剰発現させて接木能力を向上させる。
本技術により、これまで接木不和合だった穂木と台木の組み合わせの接木を可能にする。

Advantages

  • 接木効率の向上
  • 可能な穂木・台木の組み合わせ多様性を拡大
  • 果樹に適用可能

Background and Technology

 接木とは、根部を構成する台木と地上部をなす穂木と接合し、それぞれの優れた能力を共に発揮させる技術である。例えば、果樹全般の枝変りや新品種は接木によってクローン繁殖されることが多い。また、ナス科やウリ科等の蔬菜類では、病害虫やストレスに強く有用な台木の根系システムを利用することで病害耐性獲得や果実等の品質・生産性の向上が果たされている。しかしながら、接木は、植物の組み合わせによっては成功しないこと(接木不和合)が知られており、概して、同種間、同属間、同科間の順に接木が成功しにくくなる。


 我々は、接木接合面におけるセルラーゼ発現が接木の成否に重要であることを見出し、台木にセルラーゼ(β-1,4-グルカナーゼ)を過剰発現させることにより接木不和合を解決する方法を開発した。本技術の目的は、接木の用途や生産性を拡大することであり、将来的には地球規模の環境問題であるストレス土壌拡大や食のリスクへの対策への貢献を目指したい。

Expectations

  • 現在は、研究室レベルでの基礎的なコンセプトを複数種の植物の接木で実証した段階
  • 今後は、具体的な実用品種(果樹など)でパートナー企業と協働して実用化開発を進めたい

Publications

  • Notaguchi M, et al. (2020) Cell-cell adhesion in plant grafting is facilitated by β-1,4-glucanases. Science Vol. 369, Issue 6504: 698-702. DOI: 10.1126/science.abc3710
  • Kawakatsu Y, et al. (2020) An in vitro grafting method to quantify mechanical forces of adhering tissues. Plant Biotechnology 20.0925a DOI:10.5511/plantbiotechnology.20.0925a
  • Okayasu K, et al. (2021) Tissue adhesion between distant plant species in parasitism and grafting. Commun & Integ Biol 14, 21-23 DOI: 10.1080/19420889.2021.1877016

Patents

特許出願済(未公開)

Researchers

野田口 理孝(東海国立大学機構 名古屋大学 生物機能利用開発研究センター)


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